FRB、4会合連続で利下げ見送り トランプ関税が招く「夏以降のインフレ」に構える

米連邦準備制度理事会(FRB)は18日(米東部時間)、政策金利を4.25〜4.5%で据え置いた。4会合連続の利下げ見送りは、トランプ政権が4月に発動した追加関税が今後の物価を押し上げるとの警戒が背景にある。5月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.4%上昇と目標の2%に近いが、企業が駆け込み輸入で積み上げた在庫が尽きる夏以降、関税コストの転嫁が本格化する可能性が高い。FRBは昨年秋までに計1%の利下げを実施して景気を下支えしたが、現状は「待機モード」に入り、物価と雇用の動向を精査している。

話題の要点まとめ

  • FRBは政策金利を4.25〜4.5%に据え置き、1月以降4会合連続で利下げを見送った。
  • 5月CPIは2.4%上昇と沈静化が続くが、夏以降に関税転嫁が本格化すれば再び3%台に乗るリスクが指摘される。
  • トランプ大統領は「インフレは起きていない」と利下げを要求するが、パウエル議長はデータ重視の姿勢を維持し、政治的独立を強調。
  • 金融市場は9月にも25bpの利下げが再開されるとの見方を持つ一方、先行きは関税・地政学リスクによって左右される。

関連ニュースの動向・背景

リーマン危機後の超低金利が常態化した米国において、2024年秋の早期利下げは金融システムの安定化と労働需給の過熱抑制を狙った措置であった。しかし2025年に入り発動された大幅関税は「想定外の逆風」となり、FRBのシナリオを狂わせつつある。足元では、関税対象外の部品調達やサプライチェーン再編で価格抑制を図る企業努力が奏功し、物価上昇は抑え込まれている。だが米商務省統計を見ると輸入依存度の高い家電や日用品はすでにコスト増がじわりと進行中で、サプライヤー契約更新のタイミングで一斉に値札が書き換わるリスクがある。

専門家のコメント・データ

エコノミストのジェイソン・ファーマン氏は「関税は一次的ショックにとどまるが、転嫁が完了するまで6〜9カ月かかる。FRBが夏の終わりまで“忍耐”を続けるのは合理的だ」と分析する。FRBが公表した経済見通しによれば、2025年GDP成長率は1.4%(従来2.0%)、失業率は4.5%へと上方修正された。金融政策委員17人の中央値では年内2回(計0.5%)の利下げが示唆されたが、メンバー間の分布は「ゼロ〜3回」とバラつく。これは関税影響の不確実さが議論の核心であることを裏付けている。

過去の類似事例と比較

2018年の米中通商摩擦時、FRBは追加関税発動後に一時利上げを停止し、その翌年に予防的利下げへ転じた。CPIは約半年で1.9%から2.9%へ加速し、FRBは「関税ショックの波及は後追いで顕在化する」と総括している。今回の金利据え置きも、過去の学習効果を踏まえ、早期緩和で火に油を注ぐことを避ける判断といえる。

まとめ・筆者の一言

今回の据え置き、「市場は想定内」と受け止めつつも、関税インフレの地雷がどこで爆発するかまだ見えていませんよね。パウエル議長の“データ待ち”は無難だけど、投資家としては8月のCPIと9月会合が山場だと思います。ドル円も年後半にかけてボラが高まりそう💡

このニュース、これと関係あるかも?

【業界】消費財小売
【注目株・企業名】国内:ファーストリテイリング(9983.T)、海外:ウォルマート(WMT)
ユニクロやウォルマートは調達ネットワークが広いぶん、関税転嫁のスピード感が株価に直結しやすいですよね。物流コストとの合わせ技で、決算ガイダンスには要注目です!

誰かに話すならこんな風に話して

「トランプ関税で物価がまた上がるかもってFRBが警戒中。5月まではインフレ落ち着いてるけど、夏には駆け込み輸入の在庫が尽きて値上げドーン…ってシナリオ。だから利下げはお預け。投資家は9月会合に注目、だってさ」

引用元:

ロイター通信 Bloomberg 毎日新聞

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この記事を書いた人

Tatsunori Doi

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