野菜価格の下落が続く中、レタスが1玉73円という“奇跡的”な安さで注目を集めている。連休明けの流通量増加と天候条件による豊作が背景にあるが、その裏では生産者の苦悩も深まっている。お得感の裏にある構造的な課題と今後の消費動向について考察する。

話題の要点まとめ
- ゴールデンウィーク明けに市場の流通量が急増
- 天候回復と気温上昇によりレタスが想定以上に大型化
- レタス1玉が過去最安の73円で販売される事例も
- 生産コストと販売価格が逆転し、生産者は深刻な採算割れに
- 出荷規格外の“巨大レタス”が加工用として流通
関連ニュースの動向・背景
2025年のゴールデンウィーク後、市場に出回る野菜の流通量が急激に増加した。特に東京都内のスーパー「アキダイ」では、ナスやピーマンなど主要な野菜の価格が軒並み下がり、レタスについては1玉73円という異例の安値で販売された。
背景には、連休中の市場休業による出荷の停滞と、連休明けの一斉出荷が重なったことがある。また、春先の好天と気温上昇が植物の生育を促し、通常よりも早く、かつ大きく育った野菜が大量に収穫されたことも価格下落の要因とされる。
特に群馬県沼田市の赤城高原では、葉がバサッと広がる“巨大レタス”が大量に収穫されており、既存の段ボール規格に収まらないサイズのものは、加工用として流通されるケースが増加している。
専門家のコメント・データ
群馬県・赤城高原朝穫組合の見城美一組合長は、「今1玉作るのにかかるコストはおよそ70円。現在の販売価格ではほぼ利益が出ない」と語っている。実際、レタスの価格は2024年12月には1キロあたり約1000円に達していたが、2025年5月には441円と6割近くも下落している。
この急激な値下がりは、豊作による“供給過多”と、消費の伸び悩みが複合的に影響していると考えられている。専門家の間では、農家の収益悪化が長期化すれば、今後の生産意欲の低下や農地の縮小にもつながると懸念されている。

過去の類似事例と比較
過去にも天候による豊作で野菜価格が急落した例はある。例えば2017年には秋の長雨のあとに晴天が続き、白菜やキャベツが豊作となり、1玉100円以下で販売される状況が続いた。その際も農家からは「採っても赤字」という声が上がっていた。
また、2020年のコロナ禍初期には飲食店の営業制限によって業務用野菜の需要が激減し、大量の野菜が廃棄される事態も発生した。これらの事例に共通するのは、天候や社会状況の変化によって需要と供給のバランスが大きく崩れ、価格形成が機能しなくなるという構造的な問題である。
まとめ・筆者の一言
レタスが1玉73円なんて、買う側からしたら「ラッキー!」って感じですよね。でも、裏側では農家さんが苦しんでいるのがリアルです。育てた野菜が大きすぎて規格外になっちゃうなんて、ちょっと切ない話ですよね……。こういうときこそ、家庭での消費を増やして、少しでも農家を応援したいなと思います!

このニュース、これと関係あるかも?
【業界】農業・青果流通
【注目株・企業名】カゴメ、サラダクラブ(キユーピーグループ)
レタスが安いとサラダ需要が増えるかも?サラダを主力とする企業にとってはチャンス到来ですよね!家庭用カット野菜市場も広がるかもしれません。
誰かに話すならこんな風に話して
「最近スーパーでレタスがめっちゃ安いの見た?実は天気良すぎて大きくなりすぎたらしくて、生産者が困ってるんだって。安いのは嬉しいけど、農家も報われてほしいよね。」
引用元:テレビ朝日系(ANN)「グッド!モーニング」2025年5月9日放送分
