米国株は S&P500・NASDAQともに過去最高を更新し、ダウも堅調。強い雇用指標と金利上昇が交錯する中、インデックスはそろって上昇し投資家心理は依然リスクオンムード継続🔥
📈 主要指数の動き
指数 | 終値 | 前日比 | 変動率 |
---|---|---|---|
ダウ平均 | 44,828.53 | +344.11 | +0.77% |
S&P500 | 6,279.35 | +51.93 | +0.83% |
NASDAQ総合 | 20,601.10 | +207.97 | +1.02% |
NASDAQ100 | 22,866.97 | +225.08 | +0.99% |
VIX(恐怖指数) | 16.38 | -0.26 | -1.56% |
米ドル/円 | 144.95 | +0.03 | +0.02% |
米2年債利回り | 3.8861% | +0.0970 | |
米5年債利回り | 3.9393% | +0.0690 | |
米10年債利回り | 4.3477% | +0.0550 | |
米30年債利回り | 4.8623% | +0.0390 | |
金先物(COMEX) | 3,333.50 | -9.40 | -0.28% |
強い雇用データを受けて株高・金利高の“ゴルディロックス”展開。S&P500 は 6,279.35 で再び史上最高値を更新しました。apnews.com
💡 注目のニュース・イベント
- 6月雇用統計プレビュー:週次新規失業保険申請件数が予想を下回り、労働市場の底堅さを再確認。
- FOMC議事要旨公表:早期利下げ観測は後退しつつも、「年内1回」の折り込みが根強く残存。
- 独立記念日前の短縮取引:7/4休場を控え出来高はやや薄く、指数は終日プラス圏を維持apnews.com。
🔥 セクター別の動き
NASDAQセクター | 終値 | 前日比 | 特徴メモ |
---|---|---|---|
通信 | 515.18 | +1.14% | AI需要・5G再評価で買い先行 |
工業 | 12,219.14 | +0.83% | インフラ投資拡大期待 |
運輸 | 6,537.19 | +0.10% | 原油安で燃料コスト低減も鈍い |
金融 | 14,160.43 | +0.08% | 債券利回り上昇が純金利マージン追い風 |
全体的にバリュー株が買われ、グロース・メガテックも揃って高値追い。
💵 注目銘柄ピックアップ
1. Apple(AAPL)
- iPhone 17(仮)向けのAIオンデバイス機能報道で投資家の関心集中。
- Vision Pro 2 のサプライチェーンうわさがアップル関連株に波及。
- 生成AIのプラットフォーム競争に参入することでサービス売上の高成長期待。
- 独自GPU強化でエッジAIの計算効率アップ──電力効率が競合比突出。
- ウォール街では「今年後半の自社株買い増額余地」も話題。
- 足元の決算は売上高ヨコヨコながら EPS はコスト削減でプラス。
- 時価総額は市場最大級、インデックス買いの恩恵大。
- 中国販売鈍化懸念がくすぶるも、インド・中南米でのシェア拡大がカバー。
- 配当利回りは低いがキャッシュポジション潤沢、財務の安定感抜群。
- 独立記念日セールによる短期需給にも追い風。
2. NVIDIA(NVDA)
- **データセンター向け新GPU「Blackwell」**の量産開始が正式に確認。
- 大手クラウド3社が追加発注を行い、FY26も超過需要が見込める。
- 粗利率 76%前後の“モンスター・マージン”を維持。
- 競合 AMD の MI300X とのベンチ比較で依然トップ性能。
- ソフトバンクが「AI国策半導体」協業を検討との報道、パートナー網拡大。
- 生成AIスタートアップへのエコシステム投資(NVDA Inception)を加速。
- 株式分割(10→1)後の個人投資家流入が出来高を底上げ。
- 新たにネットワークスイッチ部門を分社化する観測で事業価値の再評価。
- 時価総額 4兆ドルが目前との声も。
- 先物建てヘッジの巻き戻しで短期的な上振れ圧力。
3. JPMorgan Chase(JPM)
- 米10年債利回り上昇でNIM(純金利マージン)拡大期待。
- 住宅ローン需要は減速も、カードローンと取引銀行業務が堅調。
- CEO ダイモン氏の「経済は依然レジリエント」との発言が注目。
- 投資銀行部門、IPO・M&Aパイプラインが再び動き出しフィー回復。
- 生成AIを活用したリスク管理システムを社内導入し運用コスト削減。
- 自社株買いプログラム再開で EPS 押し上げ効果。
- BaaS(Bank-as-a-Service)戦略を米フィンテックとの提携で強化中。
- ストレステスト合格による資本還元余力が市場の安心材料。
- 欧州事業の再編で規制コストを抑制へ。
- 依然として「Too Big To Fail」議論があるものの、堅固なバランスシートが評価。
📊 投資家のムード
- 強気優勢:「景気ソフトランディング+AI特需」の物語が続く
- 債券市場は警戒:長期金利上昇でバリュエーション過熱を気にする声も
- 出来高薄:祝日前のショートカバー主体で“フロー先行・ファンダ後追い”の様相
🚀 今後の注目ポイント
- 7/5(米東部)発表の6月雇用統計
- 来週公表の6月CPI―インフレ再加速なら利下げ観測後退
- 7月中旬からの決算シーズン:メガテックのガイダンスが市場方向を決定
🤔 個人的な感想
「予想通り強い雇用だけど、株も債券も同時に買われる“ご都合相場”はちょっと意外!短縮取引ってやっぱりボラ出ますね~🎆」
🧠 今日の豆知識:ボラティリティ・スマイル✨
1️⃣ 用語の定義
オプションの理論価格を計算する際に使う「インプライド・ボラティリティ(IV)」を、同じ満期でストライク別にプロットすると“にっこり笑った口”のような曲線になることがあります。これが ボラティリティ・スマイル(Volatility Smile)。真ん中のアットザマネー(ATM)の IV が低く、イン・アウト双方で高くなる形状が特徴です。
2️⃣ なぜ重要?
- 極端な価格変動リスクのシグナル
市場が「上下どちらかに大きく振れるかも」と警戒しているサイン。 - オプション価格のゆがみ
同じモデル(例:ブラック=ショールズ)でも、ストライクごとに実勢価格との差が生じるため、適正なヘッジや裁定機会の判断に必須。 - センチメント読み取り
左右非対称な“スマーク”(Smile+Skew)になる場合、例えば左側(プット)だけIVが高いなら下落ヘッジ需要が強い=弱気マインドなど、市場心理を可視化できます。
3️⃣ 実際の活用例
- ボラティリティ・アービトラージ
オプションをストライク違いで組み合わせ、IVの過大/過小を狙ってスプレッド取引。 - リスクリバーサル戦略
片側スマイル(スキュー)を利用し、安いコールを買い高いプットを売って強気ポジションを構築。リスクバジェットを抑えつつ上値を狙えます。 - クレジットヘッジ
株オプションのスマイルを参考に、社債・CDSの価格変動リスクを補完的に判断。特にイベントドリブン(決算、訴訟、M&A)時に便利。 - マーケットストレスの早期検知
スマイルが急拡大=災害・地政学リスクなど突発イベントの“予兆”を示すケースも多く、リスク管理部門が常時モニター。
「笑顔」の形の裏には、マーケットが描くさまざまなシナリオと参加者の恐怖・欲望が映し出されています。チャートを見るときは、価格だけでなく“スマイルの口角”にも注目してみてください😉
💬 今日話せる小ネタ
米国株高の裏で、欧州では「サマータイムによる取引時間の非連動」が議論に。特にロンドン証券取引所は、米市場が早じまいになる独立記念日前後に流動性が低下しやすく、FTSE100 のスプレッドが平均 15%拡大したとの統計も。機関投資家の一部は “24時間株式取引” の実証実験を検討しており、証券決済インフラ(CSDR, T+1 など)との兼ね合いがホットトピックに。さらに、中東のアブダビ取引所(ADX)が来年にも米株のデュアルリスティング制度を導入予定で、地理的に「欧州⇔米国の時差ギャップを埋めるハブ」として注目を浴びています。これが実現すれば、独立記念日やサンクスギビングのような米祝日でも流動性クッションが機能し、ボラティリティ抑制に寄与する可能性が。グローバル化が進む株式市場、取引時間の最適化は次のテーマになりそうですね🌍