滋賀県米原市の醒井養鱒場で養殖されていたイワナに、細菌性疾病「レッドマウス病(ERM)」が発生し、県は約34万匹を殺処分した。国内での確認は2015年の石川県以来10年ぶり2例目。口周辺が赤く変色する症状と高い致死率が特徴で、人には感染しないが養殖業への経済的影響は甚大とされる。https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1992862

話題の要点まとめ
醒井養鱒場では先月下旬に約1万匹のイワナが急死し、6月20日にレッドマウス病陽性が確定した。県は飼育中の全個体約34万匹の殺処分と場内の移動制限を決定。人に無害である一方、サケ・マス類を中心に高い致死率を示すため、水産特定疾病に指定される。https://www.pref.shiga.lg.jp/ippan/shigotosangyou/suisan/344761.html
関連ニュースの動向・背景
農林水産省は同日付で各都道府県に防疫通知を発出し、養殖施設の再点検と移動制限を要請した。https://www.maff.go.jp/j/syouan/suisan/suisan_boueki/red_mouth.html
レッドマウス病はグラム陰性菌Yersinia ruckeriによる感染症で、世界各地のサケ科養殖場で経済損失を与えてきた。未治療群では10~25%の大量死が報告され、ワクチン導入後も変異株により再燃するケースがある。https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC3126439/
専門家のコメント・データ
水産研究・教育機構 魚病研究センターの担当研究員は「国内2例目とはいえ、菌自体は環境中に残存する可能性があり、施設間の水系や活魚流通を介した拡散を警戒すべき」と指摘する。https://mainichi.jp/articles/20250621/ddl/k25/040/296000c
海外研究では、未ワクチン養殖群で最大70%の致死率、経済損失が1養殖周期あたり数百万ドル規模に達した報告がある。https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC6770984/
国内初確認となった2015年石川県の事例では、稚魚約13万匹が死滅し、完全収束までに約3か月を要した。https://blog.goo.ne.jp/olivia032/e/4eb133d0b473ee0e1363cf16eb139f92
過去の類似事例と比較
石川県の初発例ではシロザケ稚魚が主対象で、発生水温は18℃前後。今回はイワナで水温13~16℃とやや低めでの発症となった点が異なる。疫学調査では、給餌器具と水源の共有が主要感染ルートと推定されている。対策としては①発生区域の完全隔離②器具・水槽の高濃度塩素消毒③上流域での野生魚モニタリングが有効とされる。https://www.maff.go.jp/j/syouan/suisan/suisan_boueki/attach/pdf/red_mouth-5.pdf
まとめ・筆者の一言
魚病が国内で再発すると「またか…」と感じがちですが、10年の空白を経ての再発はやっぱり衝撃ですよね。ワクチンや飼育管理が進歩した今でも油断すると一気に広がる――水産×バイオの難しさを痛感します。
このニュース、これと関係あるかも?
【業界】水産バイオテック・ワクチン
【注目株・企業名】ニッスイ(1332)、マルハニチロ(1333)、Mowi ASA(OSL:MOWI)
サケ科中心のワクチン需要が再フォーカスされるかも?海外大手のMowiは疾病リスク管理を公表データで細かく開示しているので、比較するのも面白いですよね。
誰かに話すならこんな風に話して
「滋賀の養殖場で“赤い口”になる細菌病が出て、イワナ34万匹を全部処分したらしいよ。人にはうつらないけど魚には致命的だから、10年前に石川で問題になったやつがまた出たって感じ。水産庁も全国の養殖場に警戒通知を出してるんだって。」
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