2021年に兵庫県内のドッグランで起きた衝突事故をめぐり、大阪高裁は2025年6月18日、ゴールデンレトリバー(28kg)の飼い主に約1600万円の損害賠償を命じた。日常とは異なる“オフリード環境”で犬が急加速した危険を予見できたとして、飼い主の注意義務違反を認定した点が注目される。大型犬オーナーのリスク管理に加え、個人賠償責任保険が実際どこまで役立つのかを整理した。

話題の要点まとめ
- 事故発生は2021年2月。被害男性は自犬と遊んでいたところ背後から衝突され、左肩機能が4分の3以下に低下する後遺症を負った。
- 大阪高裁は「広いドッグランで犬が人に衝突する危険は予見可能」と判断し、一審を変更して飼い主の過失を認定。
- 賠償額は約1600万円。治療費に加え、理髪店を営む男性の「逸失利益」も大きく評価された。
- 飼い主側が個人賠償責任保険に加入していれば、保険金で対応できる可能性がある。多くの損保商品で補償上限は1億円前後だが、加入有無や特約内容の確認が鍵となる。
関連ニュースの動向・背景
ペットフード協会調査によると、全国の犬飼育数はここ数年横ばいながら、大型犬向けドッグラン併設施設は増加傾向にある。利用ルールは「自己責任」を前提とするため、過去にも小型犬の転倒骨折や人身事故が訴訟化したケースが散見される。環境省はガイドラインで「制御できない場合にはリード装着を」と示すが、施設内での強制力は弱いのが現状だ。
専門家のコメント・データ
損害保険ジャーナリストの森田辰也氏は「個人賠償責任保険は火災保険や自動車保険の特約として月100〜200円程度で付帯でき、ペットによる人身事故も補償対象になるのが一般的。弁護士費用特約とセットなら訴訟対応もスムーズ」と指摘する。一方、被害者の治療費を先行して立て替える制度(示談代行)はないため、事故後の初動対応には注意が必要だ。
過去の類似事例と比較
- 2018年9月 東京地裁:散歩中の大型犬が高齢女性に体当たりし、脊椎損傷で約980万円の賠償命令。
- 2019年3月 札幌地裁:中型犬が踏みつけ転倒させた事故で約540万円。
- 今回は後遺障害等級や職業上の逸失利益が加味され、1600万円と高水準。施設内事故で「リードの未装着」が過失認定の決め手になった点も特徴だ。
まとめ・筆者の一言
オフリードで思い切り遊ばせたい気持ちはわかるけど、周囲に人や犬がいれば“想定外”はいつでも起こるものですよね。特に大型犬は質量×速度のエネルギーが桁違い……筆者もラブラドールと暮らす身として、保険証券と施設ルールをもう一度チェックしようと思います。
このニュース、これと関係あるかも?
【業界】ペット保険・動物ヘルスケア
【注目株・企業名】アニコムHD(国内)、Trupanion Inc.(米国)
ペット保険は市場拡大フェーズにいて、今回のような高額賠償例が出るたびに“保険の必要性”がニュース化しますよね。アニコムは犬猫向け保険で国内トップ、Trupanionは北米で加入頭数を伸ばし中。事故リスクの再認識が追い風になるかも?
誰かに話すならこんな風に話して
「この前ニュースで見たけど、ドッグランでゴールデンが人に突っ込んで1600万円の賠償になったんだって。飼い主の過失がポイントで、個人賠償責任保険に入ってないと大変らしいよ。うちも保険特約チェックしない?」
引用元:毎日新聞、大阪高裁判決文、損害保険協会資料、環境省ペットガイドライン
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