Tatsunori Doi 「消費税は社会保障のためだから減税できない」――政府が繰り返してきたこの言葉が、実は日本経済を30年にわたって縛りつけてきた“神話”だったとすればどうだろうか。財務省が主導してきた政策が、国民の賃金停滞や経済成長の鈍化につながっていたという分析が注目を集めている。背景には、1999年に仕掛けられた「消費税＝社会保障目的税」という罠があるという。今こそ、その真相を掘り下げる。
話題の要点まとめ
・日本の消費税は「社会保障目的税」とされているが、これは世界的には極めて例外的な位置づけ
・財務省が1999年に「予算総則」へ明記するよう政治家を誘導、小沢一郎氏がその提案に同意したことが発端
・高い社会的割引率（4％）の維持により、公共投資が抑制され、日本の経済成長が著しく遅れた
・「国の借金論」による緊縮主義が長期的に影響し、日本の給料が上がらない根本要因の一つに
・IMFの統計によれば、日本はG7で2番目に資産が多いにもかかわらず、財務省はその事実を公にしたがらない
関連ニュースの動向・背景
消費税の減税に関しては、コロナ禍以降、各国で柔軟な対応が見られた。ドイツやイギリスでは特定業種に対し、付加価値税（VAT）を一時的に引き下げ、消費喚起と経済回復に寄与している。一方、日本では消費税率は10％のままで、減税議論は封印されたままである。
特に2023年の予算委員会で、岸田前総理が「消費減税を検討しなかった」と明言したことは、消費者に大きな落胆をもたらした。これは、政治家が「消費税は社会保障に不可欠」という前提から抜け出せていないことを如実に示している。
専門家のコメント・データ
経済学者の髙橋洋一氏は「社会保障に税金は不要」という立場をとり、その根拠として保険原理による制度設計を挙げている。日本以外の国では、年金などは基本的に保険料によって賄われており、税金の投入は限定的である。
また、日本の公共投資額の推移を見ると、1991年を100とした場合、2023年時点で0.9倍にとどまる。対して、他のG7諸国はいずれも2〜4倍に増加している。この背景には、政府が「社会的割引率4％」を据え置いていることがある。これは、金利が下がっている中での高リスク評価であり、公共事業を不利にしている。
過去の類似事例と比較
2008年のリーマンショック後、米国は大規模な景気刺激策を実施し、税制面でも個人消費を喚起する手段を講じた。コロナ禍でも同様で、景気低迷時には「消費税減税」あるいは現金給付といった直接的な支援策が世界のスタンダードである。
それに比べ、日本では緊縮財政の原則が根強く、リーマン後もコロナ後も本格的な消費減税が行われていない。これは、1999年に「消費税＝社会保障」というロジックが制度化された影響が続いているともいえる。
まとめ・筆者の一言
いや〜、1999年に仕組まれた「罠」がいまだに日本経済を縛ってるなんて、本当に驚きですよね。消費税＝社会保障なんて世界では非常識なのに、それを信じている政治家が多いのも不思議な話です。給料が上がらない根っこの問題、こういうところから変えていかないとダメなのかもしれませんね。
このニュース、これと関係あるかも？
【業界】財政政策・公共投資関連
【注目株・企業名】日本建設技術（国内）、Caterpillar Inc.（米国）
このテーマって、インフラ投資がもっと活発になれば伸びそうな企業にも注目集まると思いますよ！特に建設系は公共投資の動向とリンクしやすいので、チェックしておくと面白いですよね。
誰かに話すならこんな風に話して
「なんで日本って給料上がらないの？って思ってたけど、実は1999年に消費税を社会保障目的にしたのが始まりらしいよ。しかもそれって世界ではかなり珍しいことなんだって。公共投資が増えないのも、高すぎる“政府内金利”のせいらしいし、そりゃ経済も元気なくなるよね〜」って感じで話すと、かなり刺さると思います！
引用元：日経新聞、髙橋洋一『財務省 バカの「壁」』（祥伝社）
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