Tatsunori Doi キユーピーは2026年8月末をもって、全72品目におよぶ育児食事業の生産を終了すると発表した。長年親しまれてきた定番ブランドの終了に、SNSでは驚きと惜しむ声が広がっている。背景には販売数量の低迷と原材料費・エネルギーコストの高騰があるという。企業としての転換点を迎えたキユーピーの決断と、今後の方向性を探る。
話題の要点まとめ
キユーピーは2025年6月12日、公式サイトを通じて育児食事業の終了を発表した。
終了対象は全72品目にのぼり、2026年8月末をもって生産が完全に終了する予定である。販売もそれに伴い順次終了となる。
終了まで約1年の猶予期間を設ける背景には、急な供給停止による消費者や取引先への影響を抑える意図があるという。
また、同社は「品質を維持したままの事業継続が困難」と判断し、苦渋の決断に至ったと説明している。
終了後も「子どもたちの食と健康に貢献する活動」は継続する方針で、育児食の終了は事業縮小ではなく方向転換であるとも読み取れる。
関連ニュースの動向・背景
キユーピーの育児食事業は、1960年の瓶詰商品からスタートし、カップ容器やレトルトなど時代に応じて進化を続けてきた。
しかし近年、育児食市場全体が縮小傾向にあり、キユーピーに限らず多くの企業が苦戦を強いられている。
背景には、少子化の進行が挙げられる。総務省の統計によると、2023年の日本の出生数は過去最少を更新し、76万人を割り込んだ。
対象年齢層の減少はそのまま市場規模の縮小を意味し、企業側の売上にも直結する。
また、原材料価格や物流費、エネルギーコストの高騰も追い打ちをかけた。
特に瓶詰製品やレトルト食品は製造・流通ともに高コスト構造であるため、量産効果が得られない状況では採算性が悪化しやすい。
こうした環境下で、キユーピーは設備投資や販促強化など立て直しを試みたが、最終的には「品質を犠牲にしない」という理念に基づき撤退を選んだとみられる。
専門家のコメント・データ
食品業界のアナリストである大西陽子氏は、「ベビーフード市場は構造的な縮小フェーズに入っている」と指摘する。
「少子化はもちろんですが、共働き世帯の増加で宅配や中食へのニーズは伸びている一方、家庭で加熱するような育児食の購入は敬遠されがちです。加えて、『手作り志向』と『コスト重視』が同時に進んでおり、既製品ベビーフードの立ち位置が揺らいでいる」と語っている。
実際、市場調査会社の富士経済が2024年に発表したレポートによると、日本のベビーフード市場は2015年から2023年にかけて年平均2〜3％の縮小傾向を示しているという。
一方で、キユーピーは乳幼児向け商品の品質と安全性に強みを持つことから、育児領域での活動そのものは継続されるとみられている。
過去の類似事例と比較
育児関連事業からの撤退は、キユーピーだけの動きではない。
明治や和光堂といった他の大手食品メーカーも、品目の統合やブランド再編を進めており、ベビーフード市場からの選択と集中が進行している。
特に記憶に新しいのは、2023年に味の素が発表した「粉ミルク事業の縮小」である。これもまた販売不振とコスト増が理由だった。
こうした一連の動きは、単なる一社の判断ではなく、業界全体の再編・淘汰フェーズに入ったことを示唆している。
キユーピーは2025年3月にも「すまいるカップ」シリーズの終了を発表しており、今回の決定はその延長線上にあるといえる。
中長期的には、他企業も同様の判断を迫られる可能性がある。
まとめ・筆者の一言
いや〜、キユーピーの育児食が終了するなんて、ちょっとショックですよね…。あの「にこにこボックス」とか、親子でお世話になった人も多いんじゃないでしょうか。
でも、よく考えると少子化とコスト増って、本当に食品業界にとって厳しい壁なんですよね。企業側も品質を守るか、事業を守るかの二択を迫られる場面が増えている印象です。
ただ、キユーピーが「子どもたちの食と健康には引き続き関わっていく」と言ってるのは救いかも。これからどんな展開を見せてくれるのか、ちょっと注目して見守りたいと思います！
このニュース、これと関係あるかも？
【業界】食品・ヘルスケア業界
【注目株・企業名】ピジョン（日本）、Gerber（Nestlé/海外）
ピジョンは粉ミルクや哺乳瓶だけじゃなく、育児サポート全般に力を入れてる企業ですよね。今後の市場縮小にどう対応してくるか要チェックです。
一方、Gerberを展開するネスレも北米で同様の課題に直面しているそうで、グローバル視点での育児市場の動きに注目です！
誰かに話すならこんな風に話して
「ねぇ、知ってた？キユーピーのベビーフード、来年で終了なんだって！60年以上も続いてたのに…。背景には少子化とコスト高があるらしいよ。子ども向けの食品って、これからますます難しい時代になりそうだよね」
引用元：J-CASTニュース、総務省統計局、富士経済レポート、Bloomberg
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