Tatsunori Doi わずか3人で60ヘクタールの農地を管理する──そんな未来的な農業が、福岡県鞍手町で現実となっている。最新の自動運転農機を駆使し、正確な田植えと同時に肥料・農薬散布を一括でこなす。高齢化と担い手不足に直面する日本の農業において、「アグリテック」が希望の光となるか、注目が集まっている。
話題の要点まとめ
福岡県鞍手町の農業法人「遠藤農産」は、GPSやセンサーを搭載した自動運転の田植え機「アグリロボ田植機」を導入し、約60haの農地を3人で効率的に管理している。従来では考えられなかった人手での大規模耕作が、先端技術によって可能となった。九州全体としても、アグリテックを活用する動きが加速しており、畜産や中山間地農業にも新技術の波が及んでいる。
関連ニュースの動向・背景
日本の農業は現在、深刻な人手不足と高齢化という課題に直面している。九州の基幹的農業従事者数は約19万人と、1995年から6割も減少。平均年齢は約68歳で、その半数以上が70歳を超える状況である。
このような中、アグリテック導入による効率化は農業の持続性を左右する鍵となっている。農林水産省によれば、九州の農業産出額は全国の約2割を占めており、「食料基地」としての役割は重要だ。今後の農業改革のモデル地域として、九州が果たすべき役割は大きいとされている。
専門家のコメント・データ
三菱総合研究所の推計によれば、現在のままでは2050年には全国の耕地面積が36％減少し、農業産出額は半分に、食料自給率も38％から29％に低下する可能性があるという。研究理事の稲垣公雄氏は「九州は地力のある経営体が多い。変革の牽引役として期待したい」と述べている。
また、福岡の「遠藤農産」が導入した「アグリロボ田植機」は、クボタが2020年に開発した製品で、価格は705万円から。複数の衛星から位置情報を受けて数センチ単位の誤差で自動運転が可能なため、正確かつ省力的な農作業を実現する。
過去の類似事例と比較
中山間地での挑戦としては、大分県国東市の「らいむ工房」が興味深い。同法人は点在する耕作放棄地を借り上げ、現在では190haの農地で米やタマネギを栽培。双日と共同出資した法人「双日大分農人」では、裏作でタマネギ栽培を開始し、収益性の高い作物への転換を図っている。こうした動きは、日本型アグリビジネスの新たなモデルとなりつつある。
一方、米国では1経営体あたりの平均経営面積が約188haに達し、EUでも約17haと大規模である。日本の平均3.4haという狭小な規模では、効率性に限界があるため、農地の集約と並行した技術導入が不可欠とされている。
まとめ・筆者の一言
こうやって見ると、日本の農業にも明るい兆しが見えてきてますよね。特に九州のような地域では、アグリテックの活用によって効率化と収益性の両立が可能になりつつあるのが希望的です！でも、やっぱり高齢化と農地の分散という根本課題は残っているので、行政や民間の連携が本当に重要だと思います。
このニュース、これと関係あるかも？
【業界】農業機械・スマートアグリ
【注目株・企業名】クボタ（日本）、Deere & Company（米国）
クボタの自動運転農機はまさに今回の主役ですし、アメリカのJohn Deere（ディア・アンド・カンパニー）も自動化農機の分野では世界的に有名ですよね。投資視点でもこの2社の動きは見逃せません！
誰かに話すならこんな風に話して
「福岡の農業法人が、自動運転の田植え機を使って、たった3人で東京ドーム9個分の農地を管理してるんだって！GPSとセンサーで、田植えも農薬も全部一括でこなすらしくて、めちゃ未来的じゃない？」
引用元：読売新聞、農林水産省レポート、三菱総合研究所
