Tatsunori Doi 「業務スーパー」を運営する神戸物産が、中国産冷凍食品に基準値を超える残留農薬が含まれていたとして、大規模な自主回収を発表した。対象は西日本で販売された約4万5000個。健康被害の可能性は「極めて低い」とされているが、同様の問題が相次いでいることから、消費者の不安や今後の影響が懸念されている。
話題の要点まとめ
・神戸物産が販売する「冷凍 千切りピーマン」（中国産）に基準値超えの残留農薬が検出
・対象は賞味期限が2027年3月7日および3月22日の商品で、約4万5648個を回収
・検出された農薬は「エトキサゾール」、健康被害のリスクは「極めて低い」と説明
・同時期に「冷凍大根」（中国産）からも別の農薬（チアメトキサム）が検出され、回収対象に
・商品は西日本エリアで流通、購入者には返送対応を呼びかけ中
関連ニュースの動向・背景
神戸物産の発表は、消費者庁のリコール情報サイトにも掲載されており、当該商品が西日本の複数の業務スーパー店舗で流通していたことが確認されている。背景には、中国からの冷凍野菜輸入における農薬管理のばらつきや、製造過程における品質管理の問題があるとされる。
特に今回検出された「エトキサゾール」はダニ類を対象とした殺虫剤で、国内でも農薬として使用が認められているが、摂取量が基準値を超える場合は健康への影響が懸念される。そのため、日本国内では残留基準が厳格に定められている。
なお、業務スーパーでは過去にも中国産食品の品質に関して複数の指摘を受けており、今回の回収は消費者からの信頼維持をめざす対応とみられる。
専門家のコメント・データ
食品安全問題に詳しい農学博士の石井俊一氏によれば、「今回のように『ごく微量』とされる残留農薬でも、基準値を超えれば回収対象となるのは当然で、消費者保護の観点から正しい対応」とのこと。また、神戸物産側の発表によると、健康被害の懸念は極めて小さく、「体重55キロの成人が毎日146.6袋を継続摂取しても影響がない」とする科学的根拠を提示している。
一方で、国際的には残留農薬基準が国ごとに異なり、中国と日本ではその差が大きい。輸入食品のチェック体制の強化が求められる声も上がっている。
過去の類似事例と比較
冷凍野菜に関する残留農薬の問題は、今回が初めてではない。2021年には同じく中国産の冷凍ブロッコリーに基準値超えの農薬が検出され、別の業者が自主回収を行っている。また、2023年にはアメリカで輸入された冷凍ホウレンソウからも除草剤成分が検出され、FDA（アメリカ食品医薬品局）が調査に乗り出した。
これらの事例と比較しても、今回の神戸物産の対応は迅速かつ透明性の高い情報開示であったといえる。ただし、同社で複数の品目に類似の問題が続いている点は、信頼回復のための更なる取り組みが必要であることを示している。
まとめ・筆者の一言
業務スーパーってコスパ重視で人気なぶん、こういうニュースが出るとちょっと不安になりますよね。もちろん「健康には問題ないレベル」って聞くと安心するけど、立て続けに似たケースが起きると「またか…」って思ってしまうのも正直なところ。安さの裏側で、品質管理もちゃんと見直していってほしいなと思います。
このニュース、これと関係あるかも？
【業界】食品小売・流通
【注目株・企業名】イオン（8267）、ウォルマート（WMT）
イオンなんかは最近、PB商品の原材料や製造工程の透明化を強化してるから、こういう問題が起きた時に対策や比較材料として注目されがちですよね。ウォルマートもアメリカでサプライチェーンのトラッキング精度を上げてるって話題だし、同じ食品業界でも「安全性」をどう売りにするかは大きな分かれ道かもしれません。
誰かに話すならこんな風に話して
「業務スーパーで売ってた冷凍ピーマンから農薬が出たらしいよ。ただ、健康に問題あるレベルではないって。でも似たようなケースが最近多いみたいで、品質管理ちゃんとやってほしいよね。」
引用元：ねとらぼ、消費者庁リコール情報、神戸物産公式発表
