物価高が続く中、2022年産の“古古米”とされる備蓄米の販売が全国でスタートした。特筆すべきはその反響である。各地で行列ができ、開店と同時に完売する事態が相次いだ。アイリスオーヤマなどが「随意契約」により購入した備蓄米を、消費者向けに販売した今回の取り組み。味や品質への不安は杞憂だったとの声も多いが、果たして今後のコメ価格や農業政策にどのような影響を及ぼすのか。

話題の要点まとめ
- 2022年産の備蓄米が「随意契約」により民間流通へ
- 松戸市などで初回販売が行われ、即完売が相次ぐ
- 販売価格は5キロあたり約2160円と割安
- 消費者からは「味も問題ない」との感想が多い
- 今後はイオンやドン・キホーテなど大手小売店でも展開予定
関連ニュースの動向・背景
「備蓄米」とは、政府が需給調整や災害対策として保有しているコメで、通常は市場には出回らない。今回のケースでは、2022年に収穫された古古米が対象で、通常の市場価格よりも安価で販売された。
今回の放出は「随意契約」方式で実施された。これは、特定の企業や団体に対し競争を伴わずに契約を結ぶ形式であり、緊急時や特殊条件下で活用される。アイリスオーヤマなど一部企業がこの枠組みで備蓄米を調達し、一般消費者向けに販売した。
物価高と食品値上げが続く昨今、米も例外ではない。通常、5キロあたり4,000〜5,000円前後で販売される銘柄米に対し、今回の古古米は半額以下となるケースもあり、家計を助ける存在として注目を集めた。
専門家のコメント・データ
農業経済研究者の間では、この動きが米価に与える影響に注目が集まっている。明治大学農学部の田中俊之教授は、次のように指摘する。
「備蓄米の民間放出は短期的には消費者に恩恵を与えるが、生産者側にとっては価格下落の圧力になる可能性もある。特に今年のようにコメ余りの傾向がある年は、慎重な需給管理が必要だ」
また、農林水産省のデータによると、2023年度のコメ作況は「平年並み」だが、需要減少の影響で在庫量は依然として高い水準にあるという。
過去の類似事例と比較
過去にも備蓄米が放出された例はある。2011年の東日本大震災直後には、避難所や被災地支援のため、大量の備蓄米が放出された。ただし、当時は無償供給が中心で、今回のように市場販売されるケースは珍しい。
また、2020年の新型コロナウイルス拡大期にも、余剰米が給食や福祉施設向けに活用されたが、一般向けの販売は限られていた。今回のように大手小売業者を通じて市販される流れは、新たな制度運用として注目されている。
まとめ・筆者の一言
いや〜、ニュース見てビックリしましたよね。まさか「古古米」がここまで話題になるとは思いませんでした。しかも、味も香りも“普通”という声が多くて、これならもっと流通してもいいんじゃ?って感じですよね。とはいえ、農家さんのことを考えると、米価がこれ以上下がるのも心配…。消費者の味方でありつつ、農業の未来も守るバランスって、難しいところですね。
このニュース、これと関係あるかも?
【業界】食品流通業界
【注目株・企業名】イオン(8267)、アイリスオーヤマ(非上場・関連企業)、ウォルマート(WMT)
イオンが今後販売に参入するってことで、流通の波が一気に広がりそうですよね。ウォルマートも米国で低価格食品戦略を強めてるし、日本でもこうした“備蓄米マーケティング”が広がる可能性もあるかも?
誰かに話すならこんな風に話して
「なんか今、備蓄米がスーパーで売られてて、しかもすぐ完売するぐらい人気なんだって。『古古米』って聞くとちょっと心配だけど、味も普通で安いし、家計的にはすごく助かるよね。ただ、農家さん的にはちょっと複雑かもって話もあるみたい」
引用元:TBS NEWS DIG、農林水産省、日経新聞、明治大学農学部インタビューなど
