日本の平均年収は460万円という数字があるものの、実際にこの金額に到達していない人は全体の6割にも上るという。「平均」という言葉の裏に隠された「中央値」との乖離、そしてじわじわと広がる経済的格差が、日本社会にさまざまな影響を及ぼしている。

話題の要点まとめ
- 2023年の日本の平均年収は460万円(国税庁発表)
- しかし全体の約6割が460万円未満の年収
- 1,000万円超の高年収層は増加傾向にあり、貧富の差が拡大
- 共働き世帯でも約半数が「家計が苦しい」と感じている
関連ニュースの動向・背景
ここ数年、日本の平均年収はわずかに上昇しているものの、1998年の平均年収(465万円)と比較すると、四半世紀にわたりほとんど変化がない。物価が上昇し続ける一方で、実質賃金が停滞している現状が、生活者の「実感」としての不満につながっているとみられる。
また、食品や交通費など、生活に直結する価格の上昇は家計への圧迫を強めており、「修学旅行費が倍になった」「中学の制服が8万円」など、実際の生活費の重みが各家庭にのしかかっている。
専門家のコメント・データ
日本総研の山田久氏は、「食料品価格の上昇は、特に所得の低い層に打撃を与える」と指摘する。さらに、「格差が拡大すれば、社会の安定にも悪影響を及ぼす可能性がある」とも述べており、現状を放置することのリスクを警告している。
国税庁の調査では、1,000万円超の高所得者は全体の約5.5%(279万人)で、2019年の253万人から大幅に増加している。この層が平均値を引き上げているため、実態としての中央値は300万円台後半と推測される。
また、男女間の収入格差も依然として大きく、男性平均569万円に対し、女性は316万円とほぼ半分の水準にとどまる。これは、旧来の「昭和型家族モデル」に依存した雇用体系が根強く残っていることが原因のひとつとされる。
過去の類似事例と比較
かつて日本は「一億総中流」と称され、経済的に比較的均等な社会であった。しかし、バブル崩壊後の長期停滞と、グローバル化・IT化による業種間格差の拡大が、収入格差の固定化を進めてきた。たとえば1990年代と比較して、役員報酬や外資系コンサルタントなど一部職種の収入は大幅に上昇している一方で、サービス業や事務職などは据え置きが続いている。
「doda」の職種別年収ランキング(2024年版)では、上位はコンサルティングファームや経営企画など高付加価値職が占め、販売・サービス職やクリエイティブ職は軒並み400万円を下回っている。

まとめ・筆者の一言
正直、「平均年収460万円」って聞いてもピンと来ないですよね。むしろ「そんなにもらってる人が多いの?」と感じる人のほうが多いんじゃないかと思います。周りでも300万円台、400万円未満という声をよく聞きますし、「共働きで700万円台でも苦しい」と言われると、いったいどこにゆとりがあるのか疑問になってしまいますよね。
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【業界】生活必需品・小売、金融テクノロジー
【注目株・企業名】セブン&アイHD、Square(Block, Inc.)
庶民の生活が厳しくなると、日常消費に敏感な企業や、個人間の送金や資産管理を助けるフィンテック企業に注目が集まりやすいですよね。こうした企業の動きは、今後の暮らしのヒントになるかもです!
誰かに話すならこんな風に話して
「平均年収って460万とか言われてるけど、実は6割の人はそれ以下なんだって。しかも、共働きでも家計がキツいって声が多いらしくて…。1,000万以上もらってる人が増えてるから平均が上がってるだけで、実態はもっと低いみたいよ。なんか、数字だけ見ても現実とはズレてるよね」
引用元:AERA DIGITAL、国税庁「民間給与実態統計調査」、マイナビ調査、doda年収ランキング、ロイター通信、日経新聞
