全国の交通機関で長年利用されてきたSuicaやPASMOなどの交通系ICカードだが、ここにきて「Suica離れ」とも言える現象が各地で進行している。特に地方を中心に、タッチ決済への移行が顕著になりつつあり、交通系ICカードの存在意義そのものが問われ始めているようだ。この記事では、交通系ICカードの現状と課題、タッチ決済との比較、そして今後の見通しを多角的に考察する。

話題の要点まとめ
- Suicaなどの交通系ICカードは全国で2億枚以上発行されているが、地方を中心に利用縮小の動き
- 熊本県や広島県では、交通系ICカードを廃止・縮小し、クレジットカード等のタッチ決済に移行
- タッチ決済はチャージ不要で、外国人旅行者にも使いやすい
- 一方、都市部ではタッチ決済の処理速度に懸念もあり、Suicaの優位性が残る場面も
関連ニュースの動向・背景
2001年にJR東日本がSuicaを導入して以来、PASMOやICOCAなど、全国の鉄道・バスで交通系ICカードが普及してきた。コンビニや飲食店、自動販売機でも利用可能な電子マネーとしての機能を持ち、都市生活に欠かせない存在とされてきた。
しかし、地方では様子が異なる。例えば熊本県では2024年11月に交通系ICの利用を停止し、代わりにクレジットカードのタッチ決済を導入。広島県でも2025年に地域IC「PASPY」を廃止し、ICOCAへ移行した。
これらの動きの背景には、交通系ICカードシステムの維持・更新にかかる高コストがある。特にコロナ禍で利用客が減少した地方交通事業者にとって、コスト削減は急務となっており、国際規格のタッチ決済への移行が現実的な選択肢とされつつある。
専門家のコメント・データ
総務省や交通政策研究所などの報告によれば、交通系ICカードの導入・維持には一事業者あたり数億円規模の費用がかかるとされている。一方で、VisaやMastercardのタッチ決済は既存の金融インフラを活用できるため、導入コストが相対的に低く、また運用もシンプルだという。
さらに、観光庁のインバウンド関連統計によれば、訪日外国人のうち約70%が「現地の交通支払い方法がわかりにくい」と回答しており、国際ブランドによるタッチ決済がこの課題を解決する手段として注目されている。
過去の類似事例と比較
類似の転換は海外でも進んでいる。ロンドンの地下鉄は早くからOysterカードに加えてクレジットカードのタッチ決済を導入し、現在では約6割が非接触型決済を利用しているとされている。また、シンガポールやシドニーでも同様の決済方式が主流になってきている。
これに対し、日本ではSuicaやPASMOなどがガラパゴス的な規格となり、海外の標準とは互換性がないという問題もあった。その結果、国際規格に準拠したタッチ決済の導入が、インバウンド対応の観点からも必然となりつつある。

まとめ・筆者の一言
ICカードってすごく便利だった時代があったんですが、最近は「カードを持たなくてもスマホだけで何でもできる」って感じになってきましたよね。地方でどんどんタッチ決済にシフトしてるっていうのも納得です。ただ、東京みたいな混雑した駅でちゃんと処理できるのかはまだ課題もある気がします。Suicaが完全にオワコンになるにはもう少し時間がかかりそうですが、確実に変化の波は来てると思います!
このニュース、これと関係あるかも?
【業界】キャッシュレス決済・交通インフラ
【注目株・企業名】ビザ(Visa Inc. / NYSE:V)、オムロン(東証プライム:6645)
Visaは言わずと知れたタッチ決済の最大手だし、日本で決済端末の普及を支えるオムロンも実は見逃せない存在ですよね〜。交通機関のキャッシュレス化が進む中で、この辺の銘柄は中長期で注目したいところです。
誰かに話すならこんな風に話して
「最近、熊本とか広島ではSuicaとか使えなくなって、クレカのタッチ決済に変わってきてるらしいよ。交通系ICってすごい普及してるけど、維持費が高いから地方ではコスト的にきついんだって。観光客もクレカ使える方が便利だし、これから全国的にこの流れが加速するかもね。」
引用元:ロイター通信、日経新聞、スマホライフPLUS
