5月23日の米国株市場は、主要3指数がそろって下落する展開となりました。リスク回避ムードが強まり、特にテック株中心のNASDAQは大きく調整。VIX(恐怖指数)の急上昇も、投資家の不安心理を色濃く反映しています。

📈 主要指数の動き
- S&P500:5,802.82(-39.19、-0.67%)
- NASDAQ:18,737.20(-188.52、-0.99%)
- NASDAQ100:20,915.65(-196.81、-0.93%)
- NYダウ:41,603.07(-256.02、-0.61%)
- 米ドル/円:142.53(-1.48、-1.03%)
- VIX:22.29(+2.01、+9.91%)
指数は全面安の様相で、特にNASDAQ系の下げが目立ちました。一方でVIXは10%近い急騰となり、リスク回避の動きが強まっています。
💡 注目のニュース・イベント
この日の相場に影響を与えたのは、以下の要因です:
- FOMC議事要旨の警戒感:年内利下げへの期待がやや後退し、長期金利が高止まり。
- ミシガン大学消費者信頼感指数の下方修正:インフレ期待が再び高まる中での弱い消費心理に注目。
- エヌビディア決算後の材料出尽くし感:AIブームを牽引していた銘柄に利確売りも。
🔥 セクター別の動き
- 上昇:金関連(+2.00%)
→ インフレ懸念や安全資産志向から金価格が上昇。 - 下落:テクノロジー、輸送、金融
→ 高PER銘柄や景気敏感セクターに売りが集中。

💵 注目銘柄ピックアップ
- エヌビディア(NVDA)
AI関連銘柄の代表格。決算発表後の材料出尽くし感から、利益確定売りに押され株価は反落。内容自体は好調でしたが、期待のハードルが高すぎた印象です。 - ニューモント(NEM)
金価格の急騰を背景に、金鉱株が全面高。その中でもニューモントは堅調に上昇し、安全資産シフトの象徴に。 - JPモルガン(JPM)
金融セクター全体の軟調な流れの中、長期金利の頭打ちと景気不安により、下落基調となりました。
📊 投資家のムード
この日のセンチメントは「やや弱気」。VIXの上昇と主要指数の全面安が心理面に影響を与えました。ただし、材料出尽くしやテクニカルな調整との見方もあり、パニック的な売りではありません。
🚀 今後の注目ポイント
- PCEデフレーター(5月31日発表予定):FRBが最も重視するインフレ指標。利下げ時期を占うカギになります。
- 5月雇用統計(6月7日予定):景気減速懸念と利下げのタイミングに直結。
🤔 個人的な感想
「やっぱり来たか!」という調整局面。エヌビディアの決算は良かったけど、市場は期待しすぎてたかも。ちょっと一息つきたいタイミングですね。
🧠 今日の豆知識:米国株の「セクターETF」とは?
定義:
セクターETFとは、特定の産業分野(セクター)に特化して投資できる上場投資信託です。たとえば「XLK」はテクノロジー、「XLF」は金融、「XLE」はエネルギーといった具合。
なぜ重要?
市場全体が弱くても、特定セクターが強ければそのセクターETFを通じて効率よく利益を狙えます。分散投資もしやすく、初心者にも扱いやすいのが魅力です。
実際の活用例:
たとえば「AIブーム」に乗りたいなら、個別株ではなく「テックセクターETF(XLK)」を買うのも手。逆に「景気後退」に備えたいときは「生活必需品セクターETF(XLP)」で守りの姿勢を取るのもアリです。
💬 今日話せる小ネタ:AIブームで変わるインフラ投資、電力需要がカギに?
エヌビディアを筆頭に盛り上がりを見せる「AIブーム」。でもその裏で静かに注目されているのが電力インフラと半導体製造設備への投資です。AIを支えるデータセンターは、大量の電力を消費します。たとえばChatGPTのような大規模AIモデルを動かすには、GPUだけでなく冷却設備や高圧電源が必要。
そのため、電力会社(ユーティリティ銘柄)や再生可能エネルギー分野、さらには**電力関連インフラに強いETF(例:XLU、ICLN)**が脚光を浴び始めています。
実際、米国ではいま電力網のアップグレードが急務とされ、次世代送電線やバッテリー貯蔵の技術にも投資が集中しつつあります。これからAIの恩恵を受けるのは、必ずしもIT企業だけじゃない!という新たな視点が生まれてきているんです。
日常の会話でも、「AIも電気がなきゃ動かないんだよね~」なんて話題でちょっと差をつけてみましょう!
