中国製太陽光発電システムに不審な通信機器が組み込まれていたとの報道が波紋を呼んでいる。ロイター通信が明らかにしたところによれば、これらの機器が遠隔操作されれば、大規模な停電を引き起こす恐れがあるという。中国が世界市場を席巻する中、各国でエネルギーインフラの安全保障に対する警戒が強まっている。

話題の要点まとめ
・中国製太陽光発電機器の内部から仕様外の通信機器が発見された
・通信機器を悪用すれば、電力網を物理的に混乱・破壊する可能性
・発見された機器は主にインバーターや蓄電池内に存在
・中国政府は「歪曲と中傷」として反論
・国際エネルギー機関(IEA)によれば、中国は太陽光製品の製造で80%の世界シェアを占める
・米議会やエネルギー省では、国家安全保障上のリスクとして問題視されている
関連ニュースの動向・背景
太陽光発電は、脱炭素社会の実現を目指す各国にとって不可欠なエネルギーインフラである。その中でも中国は、2011年以降に国家主導で巨額の資金を投入し、太陽光パネルの製造能力とコスト競争力で世界市場を席巻してきた。欧州の10倍以上の投資を行い、製造工程のほぼすべてを国内で完結させており、同分野における圧倒的なプレゼンスを築いている。
その結果、現在では太陽光パネルの生産、インバーターやバッテリーといった周辺機器、さらには輸出額においても世界トップクラスを維持している。2021年の輸出額はおよそ300億ドルに達し、製造装置企業の上位10社もすべて中国企業であるとされる。
こうした中、今回報じられた「通信機器の隠蔽搭載」という問題は、単なる技術的懸念にとどまらず、安全保障上の重大なリスクと捉えられている。
専門家のコメント・データ
ロイター通信の報道では、米エネルギー省や下院議員の発言を通じて、安全保障への懸念が浮き彫りになった。特に共和党のフルーガー議員は、「通信ハッキングでも、太陽光システムの遠隔操作でも、中国共産党はわれわれのインフラを狙う手段を選ばない」と強く警戒感を示している。
一方、米エネルギー省は「製造企業の情報開示に顕著な課題がある」と述べつつも、明確な制裁措置などは現時点で示していない。これは、サプライチェーンの大半が中国に依存しているという現実が、即時的な対応を難しくしているためと見られる。
また、IEAの最新報告によれば、太陽光パネルの全世界生産のうち80%が中国で行われており、代替供給網の確立には時間とコストがかかるのが現状である。

過去の類似事例と比較
過去にも、中国製通信機器や監視カメラなどが「情報漏洩」や「裏口アクセス」の危険性から規制対象となった例がある。特に、ファーウェイやZTEといった大手通信機器メーカーが米国やオーストラリアで排除された事例は記憶に新しい。
太陽光分野においても、2022年には一部の中国製インバーターに不正アクセスが可能なバックドアが存在するとの報告があり、すでに一部の州では調達を制限する動きも見られていた。
今回の報道が示すのは、単なる一企業の不正ではなく、「国家戦略」の一環としての技術輸出とセキュリティリスクの交錯である。インフラに組み込まれた「見えない脅威」は、今後も様々な分野で注目されることになるだろう。
まとめ・筆者の一言
インフラって、本当に一度問題が起きると社会全体に影響しちゃうから怖いですよね。特にエネルギー分野は生活の基盤に直結しているからこそ、見えない脅威にはいっそう敏感であるべきだと思います。
太陽光って環境にやさしいイメージがあるけど、そこに国家間の安全保障リスクが絡むって、正直複雑な気持ちになりますね。
このニュース、これと関係あるかも?
【業界】再生可能エネルギー、インフラセキュリティ
【注目株・企業名】First Solar(米)、Canadian Solar(カナダ)、レノバ(日本)、東京電力ホールディングス(日本)
この分野って、注目株もいろいろありますけど、中国依存から脱却しようとしてる企業には特に注目したいですよね。例えば、First Solarは中国製原料に依存しない体制を強化してるし、レノバなんかも国内での自給力アップに積極的なんですよ。
誰かに話すならこんな風に話して
「最近、中国製の太陽光発電機器に怪しい通信機器が入ってたらしくてさ、それが遠隔操作されると停電が起きるかもしれないって話。中国って太陽光パネルの世界シェア80%も持ってるから、もしものときは影響デカいよね。各国が今、エネルギー安全保障の見直ししてるらしいよ」
引用元:ロイター通信、産経新聞、国際エネルギー機関(IEA)
