専用アプリで注文された商品を自動運転ロボットが届ける――。セブン-イレブン・ジャパンが開始したこの新サービスは、人手不足に悩む流通業界の救世主となるのだろうか。舞台は東京・八王子市。カメラやセンサーを駆使して赤信号も識別し、坂道や段差も難なく乗り越えるこのロボットが、将来の“当たり前”になる可能性を探る取り組みが始まった。

話題の要点まとめ
セブン-イレブン・ジャパンは2025年5月19日より、東京都八王子市で自動運転ロボットによる商品の配送サービスの実証実験を開始した。利用者は専用アプリで商品を注文し、自動運転ロボットが自宅近くまで届ける仕組みである。
このロボットは、周囲の環境を感知するカメラやセンサーを搭載し、赤信号の検知や交差点の横断といった交通ルールへの対応が可能。さらに、坂道や段差といった都市部の複雑な地形にも柔軟に対応する走行性能を備えている。
この実験は2026年2月まで継続される予定で、今後の本格導入に向けた技術的・運用的な検証が進められる。
関連ニュースの動向・背景
少子高齢化や働き手不足の影響を受け、物流や小売業界では配送の効率化と人員の代替が急務となっている。特に「ラストワンマイル」領域――最終的な消費者への届け先までの区間――における人手不足は深刻であり、自動運転技術やドローンによる配送の実用化が各企業の研究開発テーマとなっている。
コンビニ業界ではローソンが2021年に自動運転車を活用した商品配送を福井県で試験的に導入するなど、技術革新の流れが加速している。セブン-イレブンの今回の取り組みは、都市部における実装可能性を試す意味で、他の実証実験とは一線を画している。
専門家のコメント・データ
自動運転ロボットの社会実装に詳しい筑波大学システム情報系の教授は、「歩道を走行可能な自動配送ロボットの普及には、技術的な安全性と社会的受容の両面が鍵になる」と指摘。特に住宅街や繁華街といった多様な歩行者環境での走行には、AIの判断精度や遠隔操作との連携が重要であると述べている。
一方、国土交通省の調査によると、2024年度における国内のラストワンマイル配送に関わる人手不足率は約30%に達しており、今後さらに深刻化が見込まれる。これにより、配送支援ロボットの市場は2030年までに約1,200億円規模に成長するとの予測も出ている。

過去の類似事例と比較
セブン-イレブンは2020年から茨城県つくば市でも自動配送ロボットを活用した実験を行ってきたが、当時は走行エリアが限定されており、天候や障害物への対応力に課題があった。今回の八王子実験では、その課題を克服する形で、信号認識や坂道・段差の走行技術が進化している点が注目される。
また、アメリカではAmazonが「Scout」という自律走行型ロボットを試験導入し、限定地域での実運用を行っているが、安全性確保とコストの問題から一部プロジェクトの中断も発生している。これに対し、セブン-イレブンの取り組みは、都市部特有の課題に焦点を当てており、日本の街並みに最適化された仕様であるといえる。
まとめ・筆者の一言
ロボットが商品を届ける時代が、いよいよ現実味を帯びてきましたね。都市部の複雑な環境でもスムーズに動けるというのは、本当に技術の進歩を感じます。人手不足という社会課題をテクノロジーでどう解決するか、その一つのヒントがここにあるように思います。
このニュース、これと関係あるかも?
【業界】ロジスティクス・スマートモビリティ
【注目株・企業名】ZMP(国内)、Nuro(米国)
ZMPは自動運転ロボットの開発を国内でリードしていて、今回のような配送分野での実績も豊富ですよね。アメリカのNuroも食品や薬品などの宅配ロボットで話題になっていて、こういう分野の成長が楽しみです!
誰かに話すならこんな風に話して
「セブンイレブンが八王子で自動運転ロボット使って配達始めたらしいよ。スマホで注文したらロボットが商品届けてくれるんだって。しかも赤信号も認識するし、段差も平気で乗り越えるとか。人手不足解消にもなるし、これからもっと広がるかもね!」
引用元:FNNプライムオンライン、国土交通省資料、筑波大学研究コメント
