トランプ政権が導入した追加関税の影響が、米国民の生活にじわじわと及び始めている。大手小売企業ウォルマートが商品の値上げに踏み切ると表明したほか、中小企業や一般市民からも生活コストの上昇に対する不安の声が聞かれるようになった。現地報道をもとに、その影響の実態を追った。

話題の要点まとめ
- トランプ政権による関税措置が継続中
- ウォルマートが今月末から順次値上げを実施予定
- 一般市民からは生活コスト増への不満の声
- アルミ製品や電子機器などの輸入コストも上昇
- トランプ大統領は「関税のせいにするな」と企業を批判
関連ニュースの動向・背景
2018年から本格化したトランプ政権の対中関税措置は、政権交代後の2025年に入っても一部継続されている。特に2024年末に再導入された関税強化策では、主に中国からの輸入品に対する課税率が引き上げられた。対象品目は広範囲に及び、電子機器、衣料品、日用品から食品、資材まで多岐にわたる。
ウォルマートは自社商品の約3分の1を中国、メキシコ、ベトナムなどから輸入しているとされ、特に中国製のおもちゃや家電製品はその多くを占める。このため、関税引き上げの直接的影響を受けやすい企業の一つである。
専門家のコメント・データ
米労働省が発表した2025年4月の消費者物価指数(CPI)は前年比で2.6%の上昇となり、前月より伸び率は鈍化したものの、食品や日用品の価格上昇は引き続き見られる。経済アナリストのメアリー・ジョンソン氏は「関税が企業の仕入れコストを押し上げ、そのコストが消費者価格に転嫁されるのは避けられない」と指摘する。
一方で、トランプ大統領は「ウォルマートは予想以上の利益を上げている」として、値上げの正当性に疑問を呈している。SNSを通じて「関税のせいにするな」と述べ、企業側に値上げの再考を促した。

過去の類似事例と比較
前回の大規模な関税導入は2018〜2019年にかけて実施された「米中貿易戦争」時である。この際も同様に、家電や日用品の価格が上昇し、特に低所得層を中心に生活コストへの影響が懸念された。
経済調査会社「ペン・アンド・パートナーズ」の報告では、2019年当時、関税導入により一般家庭の年間支出は平均で約830ドル増加したと推定されている。今回の措置も同様の影響が想定されており、中小企業や消費者の負担が再び課題となる可能性が高い。
まとめ・筆者の一言
トランプ氏の主張にも一理あるとはいえ、現実問題として輸入コストの上昇が避けられない中、企業が値上げに踏み切るのもやむを得ない状況だと思います。ウォルマートのような大手でも吸収しきれないとなれば、中小企業の苦しさはなおさらですよね。選挙を見据えた政策的な主張と、実務レベルの企業経営の間にはやはりギャップがあるように感じます。
このニュース、これと関係あるかも?
【業界】小売・流通業界、素材・資材業界
【注目株・企業名】ウォルマート(WMT)、ターゲット(TGT)、日本企業ではイオン(8267)や良品計画(7453)など
小売企業が仕入れコストに苦しむ今、流通全体の構造改革や輸入依存度の見直しが一気に進むかもしれませんね。日本企業にも影響が波及してくる可能性がありそうです。
誰かに話すならこんな風に話して
「トランプ政権の関税って、実はアメリカ国民の生活費にも跳ね返ってきてるんだよ。ウォルマートとかが値上げに踏み切るくらい、仕入れコストが上がってるみたい。その一方でトランプさんは“関税のせいにするな”って言ってるけど、いやいや…って感じじゃない?」
引用元: 読売新聞オンライン、米CNBC、米労働省データ、ロイター通信
