Tatsunori Doi イオンカードを巡る不正利用事件について、NHKの報道内容に対してイオンフィナンシャルサービスが「事実に反する」と強く反論した。報道が示唆した「システムエラーの可能性」について、同社は第三者検証によって問題がないことを確認していると述べ、信頼回復に向けた姿勢を示している。
話題の要点まとめ
・NHKは5月15日、イオンカードを悪用した詐欺事件を報道
・「カード停止後も不正利用が続く」などの利用者の声を紹介
・原因の一つとして、イオン側のシステムエラーの可能性に言及
・イオンフィナンシャルサービスはこれを全面否定し、第三者検証の結果「問題なし」と発表
・オフライン取引の悪用が不正の温床となっていた可能性が浮上
関連ニュースの動向・背景
NHKが報じた事件では、ベトナム国籍の詐欺グループ4人と、彼らに協力したとされるコンビニ経営者が逮捕された。手口は、他人名義のクレジットカード情報を利用して商品を購入するという典型的なものだが、特に注目されたのは「オフライン取引」の存在である。
これは、決済時にリアルタイムでカード会社に照会しない仕組みで、通信状況などによって照会がスキップされる場合がある。この取引形態が悪用されたことで、利用者がカードを停止してもなお不正決済が行われるという異常な状況が続いていた。
こうした中で、NHKは報道内で「イオンカードのシステムにエラーが発生していた可能性」を専門家コメントとして紹介。これにより、まるで企業側のセキュリティ不備が原因であるかのような印象が生じたことが、今回の反論につながった。
専門家のコメント・データ
NHKの報道で登場した専門家の見解によれば、「オフライン取引が頻発した背景に、システム側の設定や制御に何らかの問題があった可能性も否定できない」とされている。
ただし、イオンフィナンシャルサービス側は「自社システムに起因するトラブル・エラーは確認されていない」と明言しており、実際に2024年10月時点で公表された調査報告書でも、外部専門機関による検証の結果「技術的欠陥は見つからなかった」としている。
一方、2025年3月には、不正利用被害額が99億円に達したことを同社自らが発表しており、その深刻さと被害拡大を招いた背景については、未だ議論の余地がある状況である。
過去の類似事例と比較
今回のケースと類似する事件として、2022年に発生した某大手ECサイトでの「フィッシング詐欺被害」がある。この事件では、偽のログイン画面を通じてカード情報が抜き取られ、不正利用が横行したが、当該企業は「カード会社側の検知体制に遅れがあった」とする第三者調査報告を公表している。
また、海外では2021年に米国の大手チェーンストアが「オフライン取引を悪用した詐欺被害」に遭い、やはりリアルタイム認証をすり抜けた決済が問題となった。これらの事例を見ても、技術的問題というよりも、利用環境や認証方式に起因するリスクが本質的課題であるといえる。
まとめ・筆者の一言
このニュース、SNSでは「イオンの責任じゃないの？」とか「NHKがやりすぎでは？」なんて声が割れてましたよね。個人的には、確かに不正利用が多発していたのは事実だけど、原因がすぐに“システムエラー”だと決めつけるのは早計かなと思います。第三者検証の結果もあるし、むしろ業界全体として「オフライン取引」みたいな古い仕組みをどう見直すかが問われてる気がします。
このニュース、これと関係あるかも？
【業界】フィンテック・決済セキュリティ
【注目株・企業名】GMOペイメントゲートウェイ（日本）、PayPal（米国）
フィンテック業界では、こうした不正決済リスクに対応する新技術の導入が加速してますよね。例えばGMOペイメントゲートウェイは、AIによるリアルタイム検知機能を強化してますし、PayPalは利用者本人認証の二段階強化を進めています。こういう動き、今後の主流になっていきそうですよね。
誰かに話すならこんな風に話して
「イオンカードが不正利用の件でNHKの報道に怒ってたらしいよ。NHKは“システムエラーがあった可能性”って言ったけど、イオン側は“第三者調査で問題なし”ってキッパリ否定したんだって。不正利用の原因って、カード会社より“オフライン取引”っていう仕組みの問題らしいよ。」
引用元：日経新聞、ITmedia NEWS、NHKニュース7、イオンフィナンシャルサービス公式発表
