備蓄米の出荷はなぜ遅れている?中小スーパーに届かない本当の理由と今後の展望

記録的なコメ価格の高騰が続く中、政府が備蓄しているコメ(備蓄米)が市場に放出されたにもかかわらず、価格抑制の効果が中小のスーパーまで及んでいないとの指摘が出ている。実際、備蓄米の出荷は落札された量のわずか24%にとどまり、消費者の実感にはつながっていない。いったいなぜ、備蓄米が市場に出回らないのか。背景には流通構造とタイミングの問題があるようだ。

話題の要点まとめ

  • コメ価格は16週連続で高騰、5キロあたり4220円と過去最高値を更新。
  • JA全農が落札した備蓄米の出荷は、2025年4月時点で全体の24%にとどまる。
  • 中小スーパーでは「備蓄米が入ってこない」との声も。
  • 出荷遅れの理由には、精米・配送の工程や在庫調整、卸売業者の事情など複数の要因が重なっている。

関連ニュースの動向・背景

農林水産省の発表によると、2025年4月中旬時点での全国平均コメ価格は、5キロあたり4220円に達し、16週連続で値上がりしている。これは需要の高まりや物流コストの上昇だけでなく、天候不順や輸入米の価格不透明感などが影響しているとされている。

こうした中で政府が備蓄米を市場に放出することで価格安定を図ろうとしたが、その効果は限定的だった。備蓄米の多くを落札したJA全農は、全体で約20万トンを確保したが、そのうち出荷済みは4万7000トン程度(24%)にとどまっている。

専門家のコメント・データ

宇都宮大学の松平尚也助教は、「備蓄米には即効性がないことが浮き彫りになった」と指摘する。理由の一つとして挙げられているのが、備蓄米が玄米での引き渡しとなる点である。精米工場を経て小売店舗に届くまでには最低でも2〜3週間を要する。

さらに、卸売業者が既存の在庫を抱えている場合、新たな備蓄米の納品を先送りする傾向があるという。これにより出荷指示は5月〜6月に集中し、結果として今の時点で店頭に出回っていないのだ。

また、物流の現場ではドライバー不足も深刻であり、トラックの確保に時間がかかることも要因とされている。

過去の類似事例と比較

過去にも備蓄米の放出が行われたことはあるが、その際も迅速な価格抑制にはつながらなかった。例えば2010年の冷害時には、コメ不足が懸念されたが、備蓄米の投入による市場効果は実感しづらかった。

その背景には、現在と同様に精米・流通のボトルネック、流通業者の在庫調整の判断があったとみられている。当時も「価格は下がるはずなのに、なぜか下がらない」との声が多く上がっていた。

まとめ・筆者の一言

コメの価格って、生活に直結するからこそ、少しの値上がりでもすごく気になりますよね。今回の備蓄米の話も、「政府が動いたからすぐ安くなる」と思いたい気持ち、すごくよくわかります。でも、実際は物流や在庫の事情でそんなにすぐには反映されないみたいです…。ただ、5月〜6月には価格が落ち着く兆しもあるとのことなので、もう少しだけ様子を見てみましょう。

このニュース、これと関係あるかも?

【業界】 食品流通業界
【注目株・企業名】 神明ホールディングス、ライフコーポレーション、イオン株式会社

コメ関連って、普段あまり注目されないけど、こういう価格高騰が起きるとやっぱり流通の要所を押さえてる企業って強いですよね!イオンなんかは独自ルートで調達してるって聞いたことあるし、今後の動きがちょっと気になります。

誰かに話すならこんな風に話して

「最近コメ高いじゃん?あれって政府が備蓄米出してるのに中小スーパーに届いてないらしいよ。理由は、精米とか在庫調整とかいろいろあって2〜3週間かかるんだって。しかも卸業者が今ある在庫を先に売りたいから、わざと出荷遅らせてる部分もあるらしい。5月か6月には落ち着くかもだけどね」

引用元 : 日テレNEWS NNN、農林水産省、宇都宮大学 松平尚也助教のコメント(2025年4月28日放送「news every. #みんなのギモン」)

この記事を書いた人

Tatsunori Doi

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