コロナ禍で需要が急増した医療機器「パルスオキシメーター」を巡り、大手通販サイト「アマゾン」での偽造品出品が問題となった裁判で、東京地裁はアマゾンジャパンに対し3500万円の賠償を命じた。正規品出品者であるトライアンドイー社は、偽造品による被害とアマゾン側の対応の不備を訴え、今回の判決に至った。

話題の要点まとめ
今回問題となったのは、「アマゾン」の相乗り出品という仕組みである。異なる出品者が同一商品ページを共有する形態により、正規品のページに10分の1以下の価格で偽造品が並び販売された。
さらに、アマゾン側の自動価格検知システムが正規品を「高すぎる」と判断し、正規品の出品停止措置が行われた。この事態に対し、兵庫県の医療機器メーカー「トライアンドイー」が権利侵害を申し立てたものの、すべての商品が一括で停止され、それ以上の対応はなかったという。
東京地裁は、「アマゾンが調査を行わずにページを削除し、それ以上の是正措置を取らなかった」と認定し、アマゾンジャパンに3500万円の賠償命令を下した。

関連ニュースの動向・背景
コロナ禍での医療機器需要の急増により、パルスオキシメーターの販売市場は急速に拡大した。しかし、その急成長に便乗する形で粗悪な偽造品が大量に出回った背景がある。
アマゾンにおける「相乗り出品」は、出品者の手間を省き、価格比較を容易にするというメリットがある一方で、偽造品が混在するリスクが高まるという副作用も持つ。このリスクが、今回の訴訟で顕在化した格好である。
さらに、番組取材によれば、偽造品を販売していた業者の所在地は実態がないことが行政機関により確認されており、商品の「医療機器認証番号」も他社のものを流用していたことが判明している。
専門家のコメント・データ
藤井敬博社長は、「アマゾン市場を通じて、公正な競争の場が失われている」と指摘する。正規品出品者にとって、偽造品との価格競争は成立せず、評価レビューまで汚染されることでブランド価値そのものが損なわれるリスクがあると訴えた。
また、弁護士の染谷隆明氏は、「適切な対応を繰り返し求めたが、アマゾン側に改善が見られなかった」と述べ、被害の深刻さを訴えた。
今回の裁判結果は、プラットフォーム事業者の監視責任や是正措置の重要性について改めて問題提起するものとなった。

過去の類似事例と比較
過去にも、アマゾンでの偽造品問題はたびたび取り沙汰されてきた。例えば、2016年には有名電池メーカー「Duracell」の偽造電池が大量に出回り、アマゾンが対策に追われた事例がある。
また、アパレル業界でも、ラグジュアリーブランドの偽造品がアマゾン上で発見され、訴訟に発展するケースが報告されている。
これら過去の事例でも、プラットフォーム側の対応遅れや監視体制の不備が問題視されており、今回の判決はそれらの延長線上に位置付けられるといえる。

まとめ・筆者の一言
今回の判決、やっぱり「やっと」という感じですよね。
正規品をちゃんと作っている側からしたら、偽物に荒らされるなんてたまったもんじゃないですもん。
特に医療機器みたいに人の命に関わる商品で、品質が保証されないものが売られているのは本当に問題だと思います。
これを機に、大手プラットフォームももっと責任ある運営をしてほしいですね!
このニュース、これと関係あるかも?
この問題、特にECプラットフォーム市場や医療機器業界に直結していますよね。
アマゾンに限らず、楽天やヤフーショッピングでも似たようなリスクがあるから、投資家目線でも「ECプラットフォーム株」のリスク要因として注目しておきたいところです。
また、今回のような事件を受けて、医療機器メーカーのブランド保護策や、法規制の強化も進むかもしれません。
特にEC依存度の高い企業にとっては、売上影響や法規対応コストが将来的な業績懸念になる可能性もあるので要注意です!
誰かに話すならこんな風に話して
「アマゾンで偽造品が正規品に混じって売られてたらしくてさ、正規メーカーが訴えたら勝ったんだって。しかもアマゾン、正規品のほうを自動で停止してたとか…。ちょっと信じられない話だよね。」
引用元 : テレビ朝日「グッド!モーニング」(2025年4月26日放送),ロイター通信,Bloomberg,日経新聞
