春闘での高水準な賃上げの流れを受け、石破茂首相と労働組合の連合が16年ぶりに「政労会見」を開催した。会見では中小企業の賃上げ支援に向けた政府と労働界の連携を確認するとともに、米国による関税措置に対しても共同歩調をとる姿勢が示された。連合は「関税が賃上げの機運をそがないように」と懸念を表明し、政府は「あらゆる政策を総動員する」との姿勢で応じた。

話題の要点まとめ
- 石破茂首相と連合の芳野友子会長らが「政労会見」で協議
- 中小企業・小規模事業者の賃上げ支援で政府と労働界が連携を確認
- 米トランプ政権による関税措置への懸念が連合から表明され、政府は「万全を期す」と応答
- 政労会見は2009年の麻生政権以来16年ぶりの開催
関連ニュースの動向・背景
2025年の春闘では、大手企業を中心に高水準の賃上げが実現しているが、依然として中小企業にはその波が及びにくい現状がある。連合としては、「すべての労働者の生活改善」を掲げており、大企業のみならず中小への波及を強く求めている。
加えて、米国トランプ政権による関税措置が再開される可能性が高まり、日本経済への悪影響が懸念されている。特に製造業や輸出関連企業を支える中小企業への打撃が指摘されており、芳野会長が政府に対応を要請したのもこうした文脈に基づく。

専門家のコメント・データ
労働経済に詳しい慶應義塾大学の鈴木准教授は、「春闘の賃上げ率は過去30年で最高水準に迫っているが、それが中小に浸透するには制度的後押しが不可欠」と指摘する。また、内閣府の資料によれば、2024年時点での中小企業の実質賃金上昇率は+1.2%にとどまり、大企業の+3.8%に比べて依然大きな開きがある。
一方で、関税問題では、経済産業研究所(RIETI)のレポートによると、2018年の米中貿易戦争時、日本の中小製造業は輸出総額が一時的に8%減少したとされており、今後の対策が急がれる。
過去の類似事例と比較
今回の「政労会見」は、麻生太郎政権下の2009年以来16年ぶりとなる。前回はリーマン・ショック後の経済立て直しを主眼とした協議であり、失業率の上昇や派遣切りが深刻化する中で労使・政府の三者が連携を強化した経緯がある。
また、2018年には米トランプ政権が鉄鋼・アルミニウムに高関税を課した際、日本政府はWTOを通じて抗議する一方、輸出関連産業への支援策として補助金や税制優遇措置を講じた。今回も同様の政策が再度求められる局面に入っている。

まとめ・筆者の一言
労働者の賃上げと経済の持続的な成長って、やっぱり切っても切り離せない関係ですよね。今回の会見で、政府と連合がちゃんと連携していこうという姿勢を見せたのは、かなり前向きなサインだと思います。
でも、中小企業が実際に賃上げできるかどうかは、資金繰りやコスト負担の問題も絡んでくるので、単なる掛け声だけじゃ足りないとも感じました。関税の影響も見据えて、どこまで具体的な支援が出てくるのか、注目して見ていきたいですね。

このニュース、これと関係あるかも?
今回の会見は、中小企業支援政策や労働市場政策に直結する話題ですよね。特に関税対応は、製造業や輸出関連企業の株価動向に直接影響しうる要素です。例えば、鉄鋼や自動車部品メーカーなどは過去にも関税強化で業績が振るわなかった経験があり、今後の政策対応次第で株価が上下する可能性もあります。
投資家にとっても、「労使連携の本気度」や「中小企業向け支援の具体策」が注目ポイントになると思います。
誰かに話すならこんな風に話して
「石破首相が連合と会って、賃上げの話をしたんだって。中小企業にもちゃんと波及させようとしてるみたい。あと、アメリカの関税の影響も気にしてて、政府として何か対策するっぽいよ。16年ぶりに政労会見やったって聞くと、ちょっと本気度感じるよね」
引用元
ロイター通信、日経新聞、Bloomberg