キャッシュレス決済が主流になる中、ファミリーマートの一部店舗が「現金での支払いをお願い」と掲示し話題を呼んでいる。急拡大するキャッシュレス社会の裏で、店舗が抱える“手数料”という見えにくい負担に注目が集まっている。

話題の要点まとめ
ファミリーマートの一部店舗が、レジ横に「現金かファミペイでのお支払いをお願いできれば幸いです」と記したステッカーを掲示していることが注目されている。キャッシュレス決済の普及が進むなか、消費者にとっては便利な仕組みである一方で、店舗にとっては手数料の負担が重くのしかかっているのが現実である。
ファミリーマート本部はこの対応について「決済手数料の負担軽減を目的とした案内」と説明しつつも、特定の決済手段を強制するものではないとしている。背景には、キャッシュレス決済比率が政府目標の4割を達成し、今後もさらなる拡大が見込まれる現状がある。
関連ニュースの動向・背景
経済産業省が2024年に発表したキャッシュレス決済比率は42.8%で、政府が掲げる普及目標の「40%超え」を達成している。2025年以降もこの比率はさらに伸び、最終的には80%を目指す計画だとされている。
しかし、キャッシュレス化の進展には光と影がある。とくに中小規模の店舗にとって、キャッシュレス導入による手数料は大きな負担である。一般的なキャッシュレス決済の手数料はおおむね2〜3%。これに振込手数料や月額利用料が加わることで、薄利多売型の店舗では利益を圧迫しかねない。
例えば、客単価が1,000円で利益が100円の小売店の場合、3%の決済手数料を支払えば利益の3割が消える計算になる。こうした状況が、ファミリーマートをはじめとする店舗の“現金お願い”という動きに直結していると見られる。

専門家のコメント・データ
ITジャーナリストの三上洋氏は、キャッシュレス決済の手数料が高額に見える一方、その構造を理解すべきと指摘する。店側が支払う2〜3%の手数料には、決済代行会社、決済事業者、クレジットカード会社など複数のプレイヤーが関与しており、それぞれがその中から分配を受けている。
また、三上氏は「キャッシュレス決済を導入しないことによる機会損失」のリスクも強調する。自動販売機の例を挙げ、「1社がキャッシュレス対応を始めると、他社も一斉に追随した。現金のみでは売上が落ちるのが明らかになる」と述べている。
過去の類似事例と比較
2021年まではキャッシュレス推進のための手数料無料キャンペーンが政府主導で実施されていたが、それらの終了以降、小規模事業者を中心にキャッシュレス決済をやめる店舗が散見されるようになった。中規模のスーパーチェーンでも、導入維持が難しいとの理由で撤退したケースが確認されている。
また、地域によっても対応に差が見られる。都市部に比べ、地方ではキャッシュレス対応率が低く、利用者も少ないことから、店側も導入に踏み切れないという悪循環が起きている。こうした地域格差に対し、自治体による補助金や支援制度の必要性が指摘されている。

まとめ・筆者の一言
キャッシュレス決済って、使う側からすると本当に便利ですよね。でも、その裏でお店が「3%の手数料」で苦しんでいるとは、正直あまり意識してなかった人も多いと思います。今回のファミマの張り紙、ちょっとしたお願いに見えて、実はコンビニ業界全体の悩みが詰まっている気がします。
これから新紙幣の発行やインフラの更新で、さらにキャッシュレス化が加速しそうですが、それに耐えられる小売店をどう支えていくか、国や自治体の役割も重要になってきそうですね。

このニュース、これと関係あるかも?
今回のニュースは、小売・コンビニ業界全体に関わる話題ですが、特に**決済事業者(PayPay、楽天ペイ、d払いなど)**や、**クレジットカード会社(JCB、三井住友カード、アメックスなど)**にとっても無関係ではありません。今後、手数料をどう設定するかによって加盟店の拡大や縮小に直結し、業績にも影響が出る可能性があります。
投資家の視点から見ると、**決済関連銘柄(GMOペイメントゲートウェイ、ベリトランス、Squareなど)**は特に注目ポイントとなりそうです。キャッシュレス拡大が追い風になる一方で、手数料圧縮への圧力は利益率の低下要因ともなり得ます。
誰かに話すならこんな風に話して
「この前ファミマで“できれば現金で払って”って貼り紙見てビックリしたんだけど、実はキャッシュレスの手数料ってバカにならないらしいよ。3%って聞いたら大したことなさそうだけど、利益が薄い店にとっては死活問題なんだって。しかも新紙幣出るから、自販機もキャッシュレスに切り替えてるとこ増えてるみたい。」
引用元
FNNプライムオンライン、経済産業省、関西テレビ、ITジャーナリスト三上洋氏発言
