アメリカのトランプ大統領が、発動したばかりの相互関税の一部を90日間停止する方針を打ち出した。金融市場の急変動を受けての判断とされるが、この決定は米国内の経済リスクと、対日・対中交渉の今後にどのような影響をもたらすのか。専門家の見解と過去の事例を交えて解説します。

話題の要点まとめ
2025年4月9日、アメリカのトランプ大統領は、世界各国に対して発動したばかりの「相互関税」の一部について、90日間の一時停止を認めると発表しました。
この方針転換は、株式市場、国債市場、為替市場が同時に下落するいわゆる「トリプル安」による金融不安が背景にあるとされています。
一方、中国に対しては逆に関税を125%まで引き上げ、強硬な姿勢は維持しています。
この90日間の停止期間中に、トランプ政権は日本を含む各国と再交渉を進める構えであるが、交渉内容は自動車や農産品など、相手国にとって厳しい要求が並ぶ見通しとなっているとのこと。
関連ニュースの動向・背景
トランプ大統領はこれまで、「関税政策は市場の動向に左右されない」と繰り返してきたが、今回の措置は明らかな政策転換である。
市場では、米国の一方的な関税政策が引き金となり、「景気後退」「スタグフレーション」への懸念が強まり、ニューヨーク市場では一時、過去最大の上昇幅が記録されるほどの急反発も起こった。
また、日本に対しては、米国製自動車の販売拡大や、農産品市場のさらなる開放といった難しい要求が提示されており、短期間での実質的な成果は困難とみられている。
関税停止の90日間は、経済的な「猶予期間」とも言えるが、その裏にはトランプ政権の焦りと市場の不安が色濃くにじんでいる。

専門家のコメント・データ
成蹊大学の西山隆行教授は、今回の措置について「思いの外、否定的な反応が見られたことへの対応ではないか」と分析している。
特に注目すべきは、関税政策が中小企業に与える影響だ。西山教授は「多国間にまたがる部品供給の中で、国別に関税率を調整するのは極めて非効率で、現場の混乱を招く」と指摘している。
また、BloombergやCNNの報道では、関税引き上げによる影響は一般家庭にも波及しており、「1世帯あたり年間3,800ドル(約57万円)の追加出費になる」との試算もある。
これはすなわち、関税は企業ではなく消費者に負担が転嫁されていることを意味する。
過去の類似事例と比較
トランプ大統領の関税政策による混乱は、今回が初めてではない。第1次政権時にも、鉄鋼・アルミへの関税措置をめぐって市場が混乱し、各国との報復関税の応酬が発生した経緯がある。
特に日本はその際、比較的早い段階で交渉に応じ、輸出枠の調整や規制緩和を受け入れることで関税除外を得た過去がある。
一方、今回の「90日間の一時停止」は、交渉のための時間稼ぎとも見られており、トランプ政権にとっては「国内経済の悪化は他国の交渉態度にも責任がある」と主張する布石でもある。
このような背景を踏まえると、日本に求められるのは、単なる譲歩ではなく戦略的な交渉と情報発信である。

まとめ・筆者の一言
いや〜、今回はまさに「トランプらしい」展開って感じだったね。一晩で方針転換って、金融市場がどれだけ敏感かよくわかる話。
でも、それだけ世界経済のバランスが繊細になってきてる証拠でもある。日本としては、相手に振り回されるんじゃなくて、自分たちの主張もきちんと通せるように準備しておきたいところ。
90日って短いけど、その間にどこまで本気で交渉できるかが勝負だね。
誰かに話すならこんな風に話して
「最近またトランプが関税で大騒ぎしてるらしいよ。最初はバリバリ強気だったのに、市場が暴落し始めたら、急に『90日だけ止めます』って。中国にはさらに関税上げて、日本にも『アメ車もっと売れよ』って言ってきてるから、これから交渉が面倒になりそうなんだって。まさに“トリプル安”の影響ってやつだね」
引用元:TBS NEWS DIG、ロイター通信、Bloomberg、CNN、読売新聞オンライン、日経新聞
